大切な愛犬と旅行をして思い出を増やしたいご家族は多いですよね。
一方、高齢犬は体調を崩しやすく、お出かけに不安を抱く飼い主さんも珍しくありません。
今回は、高齢犬との旅行を楽しむためのポイントや注意点をご紹介します。
体力が落ちた高齢犬にとって、お出かけがストレスになることもあります。
一方で全ての子にお出かけが悪いわけではなく、お出かけにはさまざまなメリットもあります。
メリット①思い出作り

お出かけすることで飼い主さんはもちろん、愛犬の思い出作りにもなります。
いつもの何気ない日々ももちろん幸せでしょう。
しかし、大好きな飼い主さんとのお出かけで得る経験は、愛犬にとって楽しくて新鮮な気持ちになれるはずです。
メリット②犬の認知症予防

犬も年齢を重ねるにつれて脳の認知機能が衰え、認知症リスクが高くなります。
認知症は脳に刺激を与えることで予防できると言われていますが、毎日の暮らしだけでは難しいこともあるでしょう。
定期的な旅行やお出かけは、自宅で過ごす時よりたくさんの経験ができます。
そのため愛犬に良い刺激を与えることができるのです。
もちろん、これで十分ではなく普段からの行動も大切ですが、認知症予防の一環として適度なお出かけはおすすめです。
とはいえ、高齢犬は体調を崩しやすいので、ふらっと思いつきで出かけるのは危険です。
注意点やポイントをきちんと把握して、高齢犬とのお出かけを楽しみましょう!
シニア犬は体の不調が出やすいため、普段から薬を飲んでいる子も多いでしょう。
旅先では環境の変化により、症状がいつも以上に出やすくなる場合もあります。
持病や服用している薬がある場合は独断は避け、かかりつけの動物病院に旅行に連れて行って良いか相談しましょう。
旅行には薬を持参するのも忘れずに。
また、万が一体調を崩した時のために、前もって旅先の動物病院をチェックしておくのも大切です。
受診がスムーズに済むよう、ワクチン接種歴や既往歴・服用している薬の種類などもメモしておきましょう。
旅行に行く際に「ここも行きたい」「あれもしたい」と予定を詰め込む人も多いですよね。
しかし、高齢犬を連れた旅行ではハードスケジュールは禁物です。
前もってプランを考えるのは大切ですが、愛犬が疲れないよう、あくまでも「ゆったり」を意識したスケジュールを組みましょう。
旅先に到着してからのんびりすることも重要ですが、移動中のこまめな休憩も忘れないでください。
旅先によっては、普段過ごしている地域と気候が違う場合もあるでしょう。
犬種によって寒さに強い・暑さに強いなど特徴もありますが、どの犬種もシニアになると体温調節が苦手になります。
旅行前はきちんと旅先の気温を確認し、防暑・防寒対策を行いましょう!
また、旅行中はこまめに愛犬の様子を確認することも大切です。
寒いと聞いたから服を着せたけれど、実際はそうでもなくかえって愛犬が暑そうにしていた…といったケースも珍しくありません。
「対策しているから大丈夫」と安心せず、愛犬の様子を目視してその都度服などを調整してください。
高齢犬は感覚の衰えから喉の渇きに鈍感になります。
そのため普段から脱水症状に注意が必要です。
特に旅行中は移動で水分補給のタイミングを逃したり、慣れない場所に愛犬が緊張して水を飲まなかったりします。
- ●移動中の休憩時には毎回お水をあげる
- ●おやつは水分を多く含んだペーストタイプのものを持参する
- ●いつものご飯にウェットタイプのフードを混ぜる
季節に関係なく旅行中はこのような対策をして、いつも以上に水分補給を心がけましょう。
人の場合は目的地に着くまでの飛行機や新幹線など、移動の時間も旅行の醍醐味ですよね。
一方、犬は公共交通機関では“荷物扱い”となってしまうため、基本的にはキャリーバッグに入ったままです。
慣れない環境で長時間キャリーバッグに入ったまま過ごすのは、犬にとって大きなストレスになります。
特に飛行機の場合、犬は飼い主さんの元から離れ貨物室に預けられます。
シニア犬は感覚の衰えから成犬時に比べて孤独感や不安感を抱きやすいです。
そんな中でキャリーバッグに入ったままの移動は、ストレスが倍増すると言っても過言ではありません。
高齢犬を連れた旅行の移動手段は自家用車にするなど、できるだけ自由がきいて犬にストレスがかからない方法を選びましょう。
自家用車での移動でも、こまめに休憩するなど愛犬への配慮を忘れないでください。
愛犬との旅行を飼い主さんも楽しみにしていることでしょう。
しかし、お出かけ前に愛犬の体調に不安がある場合、思いきってお出かけをキャンセルする判断も大切です。
不安なまま出かけては心から旅行を楽しめないでしょうし、愛犬が旅行で体調を崩した場合は大きな後悔につながります。
愛犬を楽しませてあげられるのも、守ってあげられるのも、飼い主さんしかいません。
お出かけ前は愛犬の体調をきちんと確認し、旅行に行くかどうか判断しましょう。